2015年11月27日

『創作とはどうあるべきか』

“男の娘ソフト”ではこれまでたくさんの作品を制作して来ました。
姉妹ブランドの“女王様ソフト”や“FUCKソフト”も立ち上げ、“幻霜夜会”も含めての4ブランドで出来るだけ多様な作品を作りたいと考えて活動をして来ました。
全てで34作品を制作致しました。

性欲を満たす為のエロに特化した作品だけではなく、自立した自分らしい生活、不条理と狂気、福島原発による放射能の恐怖、おバカコメディ、挫折と青春、芸術と孤独、金と資本主義の経済学、グノーシス宗教、など多様なテーマに挑戦して来ました。

人によっては、エロ同人でそんな事しなくていいのではないか?、エロ同人に余計なテーマは要らない、という意見もあると思います。
しかし私にとっては、エロというのは基本的なベースであり、エロにプラスして更に何をプラスできるか、という事を常々考えていました。

同人の世界では、商業と違って、自分自身の決定で自由に作品を作る事が出来ます。
私は色々なテーマを表現したかったし、色々な形のプロジェクトを運営したいと思っていました。
ですので、私のブランドでは、続編やシリーズものはオムニバスの“男の娘パラダイス”以外には一切ありません。
1つ1つが完結した作品であり、1つのテーマにつき1作品で終了です。それ以上はありません。
エロにしても、全ての作品で違うテーマのエロジャンルを扱い、同じことは二度とやらない方針を貫いてきました。

また、男の娘ソフトは1作品ずつのクオリティをもっと高めて欲しい、という意見も頂いた事がありました。
それについては、力不足で申し訳ないとしか言い様がないと思っております。
企画がたくさんあり、色々な作品を出したかったので1つ1つの作品に資金と時間を100%つぎ込むことは出来なかった、とは確かに思っております。

最新作の“楽園へのアタナシア”ではこれらの思想を集約した形での作品であり、“楽園”と“無”をテーマとしています。
これは人間にとって究極の課題であり、この世の全ての宗教の根源的テーマであると考えています。
それを私なりに表現しようと思って、色々な作家さんに声をかけさせて頂き、なかなかメンバーも見つからず、途中で様々なトラブルにも見舞われて、トラブルトラブルまたトラブル、とあって4年もかかってしまった次第です。発表からお待たせ致しました・・・。

“楽園へのアタナシア”では中でも、権力、愛、哲学、という3つの人間存在の究極の要素を扱い、それらが無に帰すまでの物語を描いています。
“無”について普段多くの人は考える事はないと思いますが、この作品を通じて、考える良い機会をご提供できるだろうと考えております。

私にとっては、同人だろうと商業だろうとどうでもよく、純粋に自分の信じる作品を創りたい、という事だけを考えて活動を続けて来ました。
ユーザーさんの需要を満たすという事も重要ですが、それ以上に私にとっては、自分の作りたい作品を創るという事にも重点を置いて制作をしてきました。
特にこの“楽園へのアタナシア”ではそれが顕著です。多分、この世に今迄にない作品を生み出せただろうと思っています。

『創作とはどうあるべきか』という解答については人それぞれですが、私にとっては『それを作った後に死んでもいい』、と思えるものにしたいと思っています。
“楽園へのアタナシア(男の娘ソフト)”、“富豪遊戯(FUCKソフト)”、の2作品はそういう意味で多少は満足できる作品にできたと思っています。

長文となりました。
ありがとうございました。
posted by 栖 深雪-スミカミユキ- at 22:33| Comment(6) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
こんにちは。

外国人なので翻訳機の力を借りました。ご了承お願いいたします。

貴社のゲーム「楽園のアタナシシア」おもしろく楽しみました。

DLSITEで男の子キーワードで購入した初めてゲームに接するときは、何も知らずにMシチュだけ期待してましたが プレイすればするほど物語自体陥るなって時間が経つのも知らずに没頭しました。

「楽園」という一つのテーマで主人公ともつれたヒロインたちの多種多様な話、しかし最後に至っては一つの話で合わせられる完成度に驚きました。

主人公の設定も途中まで見られる彼の神秘から期待が多かったのですが、やはり作品のテーマと見事に合致ね。

人物や物語とぴったりBGMも満足でした。オールクリアしても余韻が残ってBGMの中で時間を過ごすほどだったんです。

いくつかの残念な点もあります。あくまでもただのゲームを楽しむだけのプレイヤーの立場からです。

姫たちの過去や彼女たちがそのような傾向を持つようになった背景のような話の分量も追加された場合、もっと良くないかと思いました。

音声もあったら良かったでしょう。(これは、オールクリア後の後期を読みながら納得しました。)

もちろん、ゲームを楽しんで楽しんだので、このまま終了に惜しい。もっとしたいという感想から派生した感情でもあります。

本当に楽しんで楽しみました。貴社の他のゲームも購入してプレイする予定です。
Posted by John Kim at 2016年03月16日 03:31
作品をプレイして下さり、そして暖かいコメント、誠にありがとうございます。
楽しんで頂けた様で、大変嬉しく思っております。
楽園へのアタナシアは制作に非常に長い時間がかかった事もあり、思い入れの深い作品でもあります。
物語、BGMなどは特に力を入れて作りましたし、気に入って頂けた様で嬉しく感じます。
要望の点については、今後の参考とさせて頂きます。

また宜しければ、男の娘ソフトの作品をプレイして頂けたら嬉しく思います。
ありがとうございます。
Posted by 栖深雪 at 2016年03月29日 03:04
初めてコメントさせていただきます。
エクレーシアをプレイしたとき「これは……」と描かれた世界観に驚きました。詰め切れずに溢れでた文章に圧倒されました。
それから時間がたち楽園へのアタナシアをプレイしたとき、あのときの文章が、今度は手順を踏み再構築され鋭く磨きあげられたものになっていました。素晴らしい成長を遂げたのだな、と感慨深くなり礼儀も知らずに不躾にコメントしてしまいました。どうかお許しください。
作品そのものより、ブランドやジャンル、前評判、単発もの、流行りの絵やシステム(rpg)ではないなど、作品以外の事情によりこういった名作が商業的に振るわないのは非常に残念ではありますが、いつか何かの形であなたの作品にまた出会えることを祈っています。
Posted by らっく at 2017年10月10日 19:37
温かい言葉、ありがとうございます。
こういった作品に対して評価の言葉をもらえる事がほとんど無いので、感想のコメントを頂けて、心から嬉しく思っています。
また、作品を楽しんで頂けて、何かを感じて頂けて、有難く思っています。
仰る通り、結果に対してはほとんど絶望していますが、創作への情熱を失った訳ではありませんので、今後どの様な形になるかは解りませんが、世の中に対して何らかの作品を発表していくつもりです。
ありがとうございます。
Posted by 栖深雪 at 2017年10月23日 00:49
楽園へのアタナシア、楽しくプレイさせて頂きました。

同人ゲームも最近は似たり寄ったりで個性を感じられない作品が増えているのが不満でした。
しかし、本作をプレイして、久しぶりにクリエイターさんが作りたいものを作ってるのがハッキリと伝わってくる作品に出会えて嬉しかったです。

「楽園」と「無」というテーマも、3人の姫様の生き方を通して伝わってきましたし、耽美な世界観を表現する絵も華やかで魅了されました。
音楽もお気に入りで、世界観にすごくマッチしてますね。最近はよくBGMとして聴かせてもらってます。

本作をプレイして、他のゲームでは味わえない体験ができたことが何よりも嬉しいです。

私が今でも18禁ゲームをプレイしているのは、こうした個性的な作品、衝撃を与えてくれる作品に出会いたいがためです。
そうした作品は年々少なく感じてきていますが、本作は何年経っても思い出せるような、自分にとっても大切な作品になりました。

この作品のパッケージ版が発売したら絶対に買いたいですが、今のところ予定はないですかね?
これからも陰ながら応援させて頂きます。
Posted by 行人 at 2017年11月01日 15:41
コメントありがとうございます。
作品のテーマ、物語、イラスト、音楽などを楽しんで頂けて、大変嬉しく思っております。

特に、個性的である点を評価して頂けて有難く思っています。
やりたい事をやる、個性的な作品を目指す、という事はいつも意識しているのですが、現実的な制作や販売の困難さを考えるとなかなかこういった挑戦を何度も行うのは難しいと感じたりもします。
しかしながら、こういった評価を頂けるのは大変励みになりますし、今後の制作に対しても考えさせられるものがあります。

パッケージ版については、期待に沿えず申し訳ないのですが、現時点では予定はありません。

男の娘ソフトでの今後の制作については未定なのですが、他の分野での制作は依然として続けております。
また何かの機会がありましたら、作品を手に取って頂けたら嬉しく思っています。

ありがとうございます。
Posted by 栖深雪 at 2017年11月09日 12:51
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